- 素朴絵はゆるやかでとぼけたタッチがある日本独自の絵
- 2019年に東京と京都で展覧会が開催された
素朴絵と聞いて皆さんはどのようなイメージを思い浮かべるでしょうか?
素朴という言葉が自然で飾り気がなく単純なという意味を持っているので、子供が描いたイラストのような絵を想像される方もいるかもしれません。
実は過去に素朴絵を集めた『日本の素朴絵』という展覧会が開催されています。
この記事ではその展覧会の概要とどのような作品が展示されていたのかを深堀してみたいと思います。
素朴絵とは?
展覧会の概要に入る前に素朴絵とはそもそもどのような絵なのでしょうか?
日本では近年ゆるキャラが人気を集めています。
ゆるキャラにはゆるキャラと認められるための3か条が存在しており、その中に立ち居ぶるまいが不安定でユニークであること、愛すべきゆるさがあることが挙げられています。(1)
この内容からゆるキャラが近年人気になっているのは、見た目がゆるく愛おしいということや、不完全な感じがして放っておけなくなることが私たちの心をくすぐっているためではないかと思います。
このような印象で人気になっているゆるキャラですが、実はこの「ゆるさを愛でる」という文化は最近始まったことではなく昔からありました。
その文化の1つとして登場したのが素朴絵です。
海外でも素朴派の絵はありますがこちらは写実的、言い換えるとリアルな感じを描いたものです。(2)
それと比較して、ゆるやかなタッチでとぼけた味わいがある素朴絵は日本独自の文化と言えます。
上手いとは一概に言えない素朴絵は日本の上流階層だけではなく庶民の手にもいきわたり、広く親しまれてきました。
現在のゆるキャラに通じるところがある絵。
それが素朴絵です。
展覧会『日本の素朴絵』の概要
素朴絵について一通り記載したところで、実際に過去に開かれた展覧会『日本の素朴絵』の基本情報です。
展覧会は正確には『日本の素朴絵-ゆるい、かわいい、たのしい美術-』という名前で2019年に2回、東京と京都で開催されました。(3)(4)
【第1回】
会期:2019年7月6日(土)~9月1日(日)
会場:三井記念美術館(東京)
【第2回】
会期:2019年9月21日(土)~11月17日(日)
会場:龍谷大学 龍谷ミュージアム(京都)
『日本の素朴絵』で展示された作品
展覧会『日本の素朴絵』では絵巻や絵本、掛軸や屏風などに描かれた素朴絵が展示されていたことは分かりましたが、どのような作品が展示されていたのかは分かりませんでした。
展覧会に展示されていた作品を集めた図録も販売されていたようですが2024年11月1日時点で完売しており、作品の情報をたどるのが難しいのが現状です。
ただし、当時のポスターや図録の一部はネット上で公開されているため、展示された作品の雰囲気を知りたい方はそちらを覗いてみるのが1番現実的かと思います。(5)
まとめ
いかがだったでしょうか?
素朴絵はゆるいタッチで昔から日本の庶民の間で受け入れられてきた魅力があり、現在のゆるキャラにもつながるものがあります。
展覧会『日本の素朴絵』を訪れた人も独特な世界観の中に引き込まれたことだと思います。
またこのような展覧会が開かれた際には足を運んで素朴絵の魅力に触れてみるのもいいかもしれません。
参考文献・リンク
(1)Wikipedia『ゆるキャラ』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%86%E3%82%8B%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%A9
(2)Wikipedia『素朴派』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%A0%E6%9C%B4%E6%B4%BE
(3)小田原文化財団『日本の素朴絵-ゆるい、かわいい、たのしい美術-』
https://www.odawara-af.com/ja/programs/soboku-e/
(4)龍谷ミュージアム『特別展「日本の素朴絵 -ゆるい、かわいい、たのしい美術」』
https://museum.ryukoku.ac.jp/exhibition/2019/sobokue/
(5)nostos books『日本の素朴絵 ゆるい、かわいい、たのしい美術』
https://nostos.jp/archives/358854?srsltid=AfmBOopqv6iGtOI4BykxTQOzoD4aewk1Uhq7wrvnNgIH5j8jhXmY7d3Q