- 「素朴」はありのままというイメージ
- 英語で表現するときは”simple”、”modest”、”unpretentious”などが使える
- ポジティブ、ネガティブ両方の意味で捉えられることがある単語が多いので状況で使い分けたり、感情を表現する言葉と一緒に使ったりする工夫が必要
日本では「素朴で素敵」や「素朴な疑問が浮かんだ」という形で「素朴」という言葉がよく使われます。
日常生活の中でもさりげなく使えるので、用いられる場面は多い言葉だと思います。
では英語で「素朴」を表現したいときは何といえばいいのでしょうか?
実は「素朴」は英語でこう言えばいい!と決まっている単語はありません。
例えば「リンゴ」は”apple”という1語で問題なく表せますが、「素朴」は明確に言い換えられる単語がないのです。
これが「素朴」を英語で表現する難しさの理由の1つです。
- じゃあ「素朴」を英語で言いたいときはどうすればいいの…
そのような疑問にこの記事では答えていきたいと思います!
「素朴」の意味を理解する
まずは日本語で「素朴」はどのような意味を持つのか簡単にみてみましょう。
「素朴」には自然のまま、ありのまま、単純な、飾り気のないなど1語で様々な意味を持ちます。(1)
ざっくりとまとめると「ほとんど手が加えられていないありのままのもの」というイメージで大丈夫だと思います。
実際の日常会話だと、
- その服、素朴な感じがして素敵だね!似合っているよ!
- この料理は素朴な味で美味しいね
というような感じで使われます。
「素朴」の意味や使い方はこちらの記事で詳しく紹介しています。
英語で「素朴」を表現する言葉
では、英語で「素朴」を表現するときはどのように言えばいいのでしょうか?
冒頭でも書いた通り「素朴」といえばこれだ!という英単語はありません。
そこでこの記事では意味が近い3つの英単語を挙げて日本での「素朴」の意味と比較してみたいと思います。
simple
まず1つ目は”simple”です。
“simple”は簡単な、単純な、地味な、純真な、お人好しな、などの意味があります。(2)
先ほどの日本語の意味と照らし合わせると、単純な、飾り気のない(地味な、純真な)というニュアンスを出したいときに”simple”という言葉に置き換えるのがよさそうです。
使い方としては、
- I came up with a simple question.
(素朴な疑問が浮かんだよ) - This looks like a simple and delicious dish.
(これは素朴で美味しそうな料理に見えるね)
といった感じで使うことができます。
どちらも飾り気がないという様子を表していますね。
modest
2つ目は”modest”です。
“modest”は謙虚な、派手でない、控えめな、しとやかな、などの意味を持ちます。(3)
このことから飾り気のない(派手でない、控えめな)というニュアンスを出したいときは”modest”を使うのがよさそうです。
使い方としては、
- His house is a modest little one.
(彼の家は素朴で小さな家です) - She is a modest and honest person.
(彼女は素朴で正直な人なんだよね)
といった感じで使うことができます。
先ほどの”simple”と同じような使い方に見えますが、”modest”は控えめで目立たない(飾り気がない)という意味合いが出てきます。
unpretentious
3つ目は”unpretentious”です。
“unpretentious”は見栄を張らない、控えめな、謙遜なという意味を持ちます。(4)
見栄を張らないということからありのままの、自然な、飾らないというニュアンスで「素朴」と近い意味で使うことができそうです。
使い方としては、
- I want to live an unpretentious life.
(飾らない素朴な人生を送りたいんだよね) - You have an unpretentious nature.
(君は素朴な性格だね)
といった感じで使えそうです。
“unpretentious”が”simple”や”modest”と違うのは着飾らずにありのままでいるという意味合いが出てくる点でしょう。
その他の表現の例
その他の「素朴」の表現の例としては”plain(装飾のない)”や”natural(自然の)”などが挙げられます。(5)(6)
英語で「素朴」を表現するときの注意点
ここまで「素朴」を英語で表現したいときに使える英単語とその簡単な使い方を見てきました。
それでは英語で「素朴」を表現するときに注意することはあるのでしょうか?
ここでは1番最初に紹介した”simple”を例に注意点を挙げたいと思います。
先ほど紹介した通り”simple”は地味な、お人好しなといったネガティブな意味にも感じられる意味合いを持っています。
「素朴」という日本語もそうですが、”simple”もポジティブにもとれるしネガティブにもとれる言葉なので、誤解を与えないようにするときは使う状況を考慮したり、思っていることが分かるような表現(この記事の中で紹介されている例だと”delicious”)と一緒に用いたりすることが大切です。
伝えたかったことと実際に伝わったイメージが違う!…ということにならないように気をつけましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
「素朴」を直接言い換えられる英単語はなく、強調したい意味の違いで英単語を使い分ける必要があることが分かっていただけたかと思います。
逆に言えば「様々な表現の仕方ができる!」ということになるので、ぜひその状況にあった「素朴」の表現の仕方を見つけてみてください。
関連記事・参考リンク
(1) goo辞書『素朴/素樸(そぼく) とは? 意味・読み方・使い方』
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E7%B4%A0%E6%9C%B4/
(2)Weblio英和辞書『英語「simple」の意味・読み方・表現』
https://ejje.weblio.jp/content/simple
(3) Weblio英和辞書『英語「modest」の意味・読み方・表現』
https://ejje.weblio.jp/content/modest
(4) Weblio英和辞書『英語「unpretentious」の意味・読み方・表現』
https://ejje.weblio.jp/content/unpretentious
(5) Weblio英和辞書『英語「plain」の意味・読み方・表現』
https://ejje.weblio.jp/content/plain
(6) Weblio英和辞書『英語「natural」の意味・読み方・表現』
https://ejje.weblio.jp/content/natural