単語関係
「素朴」は英語で何という?使い方や注意点も
2024年9月12日 そぼく 「素朴」なサイト
素朴実在論は知覚や経験をそのまま実在するものとして捉える考え方のことです。(1)
言い換えると、私たちが実際に見たり感じたりしたものは存在するとみなしていいよね…という考え方です。
例えば机の上に鉛筆があるとします。
私たちは通常目で見たり、触ったりすることで鉛筆の存在を感知します。
素朴実在論では「鉛筆の感覚を私たちが認知したからその鉛筆は存在する」と考えます。
素朴実在論は色々な種類がある存在論のうちの1つです。
中でも素朴実在論は科学的実在論と相反する位置に位置するものと置かれることが多いです。
科学的実在論は私たちが感知できなくても存在していると言えるものはあるよね…という考え方です。
例えば自然界の法則などが科学的実在論に当てはまります。
「地動説とか万有引力の法則とか私たちは実生活では知覚することはほとんどないけど、それらの法則は存在すると言えるよね」というのが科学的実在論です。
逆に科学的実在論では私たちが知覚していても存在していないとすることもあります。
例えば虹は素朴実在論では知覚できるので存在するものと言えますが、科学的実在論では光の屈折と反射による現象で虹は存在していないもの…と言えます。
実際に五感で確かめたものをそのまま「存在している」と捉えるか、現象的に「存在」を捉えるかが大きな違いだと言えると思います。
実在論はその他にも経験的実在論、唯心論的実在論など様々な種類があります。
では、このような考え方をする素朴実在論はどのようにして誕生したのでしょうか?
冒頭にも書きましたが、素朴実在論は特定の誰かによって編み出された考え方ではなく、古代ギリシャの哲学者たちが「ものの存在をどう捉えるか」という問いから発展させてきた考え方です。
素朴実在論を提唱した代表的な哲学者の1人としてはアリストテレスが挙げられます。
中世の哲学者もこのアリストテレスたちが提唱した素朴実在論を基に実在論を展開してきました。
近世に入ると物の捉え方として科学的実在論の考え方などが現れ、素朴実在論は批判を浴びることもありました。
しかし、現在でも素朴実在論は日常生活に活かせる重要な考え方です。
素朴実在論が現在の日常生活で活かせる点を3つご紹介したいと思います。
素朴実在論では物事をあるがままに捉えます。
現在では仕事や人間関係などで複雑な悩みにさらされることが多いもの。
そのような複雑な状況をシンプルにありのままのものとして捉えることで、状況が整理でき、今起こっていることに集中することができます。
結果的に複雑だったものをシンプルに捉えることができるので心の平穏を保つことができます。
頭の中だけで考えるのは難しいので、できる方は紙に起こっていることをそのまま書き出してみるだけでも効果があると思います。
素朴実在論は主観を入れずに知覚や経験を通して得られたものを存在するものとして受け入れます。
これによって実際に起こっていることをありのままに捉え、客観的な思考を育てることができます。
子供の頃に戻ったような気持ちで見たものをありのままに受け入れることが客観的な視点を育てることに役立つかもしれません。
現在はSNSなどが普及し、デジタルで盛んなやり取りができるようになりました。
デジタルでやり取りができるようになったことにより交流の幅は広がったのも事実です。
ここに「実際に知覚や経験を通して存在を確認する」素朴実在論の考え方を入れると、アナログでのつながりの重要性も再認識できるようになります。
結果的にデジタルとアナログの両方の世界のバランスをとることができます。
デジタルにもアナログにもメリットはあります。
素朴実在論の考え方を取り入れて実際のつながりも意識的に捉えるようにしてみると人間関係がさらに豊かになるかもしれません。
いかがでしたでしょうか?
素朴実在論…と聞くと難しそうですが、ありのままに捉えたものを存在するみなす考え方は現在の私たちの日常生活にもいい影響を与えてくれると思います。
物事の価値や意味合いは私たちの捉え方次第で変わります。
ぜひ素朴実在論の考え方も日常に取り入れてみてください。
(1)コトバンク『実在論(ジツザイロン)とは?意味や使い方』
https://kotobank.jp/word/%E5%AE%9F%E5%9C%A8%E8%AB%96-74062